北九州第609回 「新総裁でも不安定な状況続く」/ 政治行政アナリストの本田氏/ 西日本政懇
西日本政経懇話会9月例会が24日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、政治行政アナリストの本田雅俊氏が「政界大混乱の舞台裏」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
政権与党の自民、公明両党が今夏の参院選で惨敗した後、石破茂首相が続投を表明し、自民党内の分断が大きくなり政界が混乱した。参院選の敗因は石破首相か、それ以外か。首相続投か辞任か。何が正当なのかでもめた。昔は分断回避へ流れをつくる大物政治家や、首相をいさめる役割の側近がいたが、今は見当たらない。それが分断が進む要因になっている。
ポスト石破を選ぶ自民党総裁選には5人が立候補した。現段階では抽象的な主張が多く、首相になってやりたいことが見えてこない。小泉純一郎元首相の郵政民営化、田中角栄元首相の日本列島改造論のような大きなテーマが必要だ。
新総裁が決まっても課題は山積する。まずは党の分断修復。総裁選で争ったライバルを内閣の主要ポストや党三役に取り込めるかが鍵になる。「裏金議員」の処遇も注目される。加えて、どの野党と連携を模索するかもテーマの一つだ。
ただ、少数与党の現状で局面打開は難しい。一枚岩になれない自民党内や、野党、世論に気を使い、ダイナミックな政治が見られない可能性がある。新政権になっても、しばらく不安定な政治状況が続くだろう。
(井崎圭)
2025年(令和7年)09月26日(金)