北九州519回「発生前提の災害対策を」/河田恵昭氏が講演
西日本政経懇話会の4月例会が11日、小倉北区のホテルであった。関西大社会安全研究センター長で、政府の中央防災会議専門委員の河田恵昭(よしあき)氏が「熊本地震から1年~防災・減災の教訓と被災地の復旧・復興~」と題して講演した。要旨は次の通り。
阪神淡路大震災(1995年)からは、古い住宅の耐震補強が被害減少の鍵を握ること、新潟県中越地震(2004年)からは、山間部では土砂災害によって孤立集落が生まれることなど、私たちは過去の震災から教訓を得続けてきた。
しかし社会が高度化、複雑化し、防災力は低下傾向にある。被害予測の正確さは上がったのだから、知識を自ら求める姿勢が必要だ。発災後に「同じ被害を繰り返さない」と対策を練るのではなく、災害を前提とした「対策先行型」の考えにシフトする必要がある。
熊本地震からは1年がたち、熊本県の熊本市や益城町は復興計画を完成させた。大事なのは計画の実現。首長は覚悟を決めてやり遂げなければいけない。
(諏訪部真)
2017年4月12日