北九州第618回 深刻化する中東戦争の背景 千葉大の酒井啓子特任教授
西日本政経懇話会6月例会が10日、小倉北区浅野のJR九州ステーションホテル小倉であり、千葉大国際高等研究基幹の酒井啓子特任教授(中東政治)が「拡大・深刻化する中東戦争 イランとイスラエルの行方と中東再編の可能性」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
米国とイスラエルが戦争初日にイランの最高指導者を殺害したことは人道的な行動とは言えず、国際法に違反している。
米国はイランを政権交代させ、言うことを聞くようにする目論見があった。イランにここまでの軍事力があるとは思っていなかった。最高指導者が亡くなれば次のトップが立つ。シーア派はこれまで指導者がいなくなることを散々経験し、「救世主思考」などが生まれた。簡単に音を上げる人たちではない。
ペルシャ湾岸諸国は、イスラエルとイランの間で難しい立場に置かれ、今後は割れていく危険性がある。日本は出光興産が石油を輸入するなど、イランと長く良好な関係を維持してきた。米国が日本に対し、国交を断絶せよと言っても珍しく拒否してきた。ホルムズ海峡の問題を解決するのは、日本にできないことではないだろう。(丸田みずほ)
2026年(令和8年)06月13日(土)





