西日本政経懇話会

北九州第611回 「実用主義」の李在明政権/ 西日本政懇/共同通信・佐藤氏

北九州 佐藤.jpg 西日本政経懇話会の11月例会が17日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、共同通信社の元ソウル特派員で、現在は編集委員兼論説委員を務める佐藤大介氏が「李在明(イジェミョン)政権の今後と日韓関係」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 今年6月に韓国大統領に就任した李在明氏は貧しい家庭で育ち、小学校卒業後は工場に勤務。苦学して弁護士になった経歴を持つ。そのため、権力や富に強い執着があるとされる。
 進歩(革新)系だが、これまでの進歩系の大統領と違い、理念を基に行動するタイプではない。本心が見えず、風見鶏とも評される。経済や外交で「実用主義」を掲げ、今後の統一地方選や総選挙を意識して世論を重視する。自己の権力基盤の維持と強化に注力していると言っていい。
 対日姿勢については、かつて「敵性国家」と呼んだことがあるが、大統領就任後は「親愛の情がある」と話し、態度を変えた。韓国内で日本への好感度が高まっており、日韓関係を悪化させてまで歴史や領土問題を解決する気は無い。
 ただ、日韓の火種が消えたわけではない。日本の右派と韓国の左派の間には考え方に隔たりがある。課題を両国で考えていくことが重要だ。 (井崎圭)

2025年(令和7年)11月19日(水)

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