北九州第616回 中東紛争でのインフレ圧力懸念/「賃上げと生産性向上を」
西日本政経懇話会4月例会が17日、小倉北区浅野のJR九州ステーションホテル小倉であり、第一ライフ資産運用経済研究所経済調査部で首席エコノミストを務める熊野英生氏が「2026年度の日本経済展望 イラン情勢でどうなるか」と題して講演した。要旨は次の通り。
中東の紛争による日本経済への影響は現時点では限定的だ。高市早苗政権による20兆円規模の経済対策のほか、企業の賃上げが家計と景気を下支えしている。消費は簡単には腰折れせず、企業収益も価格転嫁などを通じて数カ月で回復するとみている。情勢は一時的な落ち着きが見られる。
ただ、原油価格は今後、再び1バレル=110~120ドルに上昇する可能性もある。背景には米国、イスラエルとイランの利害が対立する「三すくみ」の構造がある。市場はそれを織り込んで原油価格が高止まりしている。
原油高の影響は、エネルギーや化学製品、プラスチック、食料品などに波及する。こうしたインフレ圧力に対抗するため、企業にはさらなる賃上げと生産性向上が不可欠となる。
特に中小企業は生成人工知能(AI)などを活用して労働生産性を高め、新たな収益源を生み出すことが肝要だ。
(吉田修平)
2026年(令和8年)04月20日(月)





