西日本政経懇話会

筑豊第613回 李大統領 理念で動かない/ 静岡県立大 奥園教授が講演

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 西日本政経懇話会の11月例会が20日、飯塚市であり、静岡県立大の奥薗秀樹教授=北九州市出身=が、「韓国政治の現在地と日韓関係」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 日韓関係改善に動いた尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の失職後、6月に就任した李在明(イジェミョン)大統領は以前は日本を批判していたが、現在は一変。元慰安婦や元徴用工問題に言及しながら「国家間関係は政策の一貫性が重要。国家政策に個人的信念だけを一方的に強要することは容易ではない」と語った。これは「前の政府がやったことを、個人としては納得できないが受け入れる」と言っているのと同じだ。
 李大統領は現実主義者と呼ばれる。根幹にあるのは、彼が革新系与党「共に民主党」内でスーパーアウトサイダーであることだ。主流とされてきた盧武鉉(ノムヒョン)、文在寅(ムンジェイン)両元大統領の系譜ではなく、イデオロギーに基づく政策はしない。その時その時に何が国益かを考えて動く。良好な日韓関係を維持することが韓国にとってプラスだという形をつくれば、日本は(対日関係悪化を招くことが多かった)革新系政党との関係をつくるチャンスだと思う。 (金田達依)

2025年(令和7年)11月22日(土)

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