西日本政経懇話会

筑豊521回「当面は円安の追い風も」/安井明彦氏が米新政権の影響講演

西日本政経懇話会の4月例会が21日、飯塚市片島のパドドゥ・ル・コトブ7e565d2cc1bae90e137232037e2552db9b0b1451.jpgキであり、みずほ総合研究所欧米調査部長の安井明彦氏が「トランプ大統領の米国~新政権の動向と日本への影響」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

 大統領に選ばれた当時、日本では対米関係への不安の声が聞かれたが、実際には就任3カ月を経てほとんど何も起こらなかった。背景にあるのは深刻な体制整備の遅れ。米国では新大統領が就任すると役人も約4千人が入れ替わる。特に重要な約550人のうち議会が承認したのは約20人にとどまっており、人事がほとんど動いてない以上は国を動かすこともできない。

 トランプ氏もようやく取り巻きだけでは政治ができないことを分かってきている。支持率の低迷も歴代大統領の中で群を抜いており、今後は公約に対しても、その時々で「最善」を選ぶスタンスに変わるのではないか。日本にとっては政権内のキーパーソンを見極めることなどが重要になる。

 日本経済への影響を見ると、2017年度は当面円安による追い風が吹く期待があるが、18年度以降は同氏が主張する大型減税やインフラ投資優遇策などに伴って米国の経済成長が実現するかどうかで大きく変わる。議会との関係などで政策の不確実性が高まればリスクも高まる。 (糸山信)

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