福岡第630回 「六方よし経営」 実践で成長/西日本政懇 藻谷特任教授が講演
西日本政経懇話会の9月例会が25日、福岡市であり、経営エッセイストで立教大大学院特任教授の藻谷ゆかり氏が、自身の提唱する「六方よし経営」をテーマに講演した=写真。要旨は次の通り。
六方よし経営は、近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」に「作り手よし」「地球よし」「未来よし」を加えた行動規範。人権と環境を重視した考えで「和のSDGs(持続可能な開発目標)」とも言える。
実践の一例が石川県能登町の数馬酒造だ。24歳で家業を継いだ現社長は、耕作放棄地を水田にして酒米を作り、廃業施設でリキュールを製造するなど地域資源を活用。若手社員に酒造りを任せて効率的な働き方を推進し、販路拡大も進めて事業成長につなげている。
六方よし経営は人材確保でも生きる。SDGsを学んで育った若年層は人権や環境を重視する企業を選ぶ傾向がある。例えば、里山の再生や環境教育に取り組む産業廃棄物処理の中小企業では、新卒募集10人に対し80倍の応募がある。
企業経営においては社会課題を自分ごとで捉えて問題解決を図る姿勢がより重要になる。 (津留恒星)
2026年(令和8年)09月27日(日)





