福岡第620回 「官民連携で男女格差解消」 西日本政懇/企業代表の小安氏講演
西日本政経懇話会の10月例会が10日、福岡市であり、地方のジェンダーギャップ(男女格差)解消に取り組む「Will Lab(ウィルラボ)」代表取締役の小安美和氏が「地方におけるジェンダーギャップ解消に向けて~ジェンダー平等16年連続世界1位のアイスランド視察からのヒント」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
地方から女性が流出する背景にジェンダーギャップがある。固定的な性別役割分担意識やハラスメントなどが残る地域や組織から女性は出て行く。地方ほど家庭での女性の負担が大きい傾向にあり、賃金が正社員より上がりづらいパートを選ぶ女性が多く、男女格差が生まれている。
昨年、「ジェンダー平等」世界1位のアイスランドを視察した。1975年、女性の9割が仕事や家事をボイコットした「女性の休日」と呼ばれるストライキを機に女性が連携。政治分野に進出したことが、男性の育休取得率85%といった現在のジェンダー平等の土台になっている。
同国から得たヒントをどう生かせるか。「この地域でジェンダー平等は無理だ」「中小企業では難しい」といった決めつけから脱却し、企業や自治体が連携して解決に取り組むべきだ。さまざまな制約を抱える人が公平に働ける職場や地域をつくっていくことが最も重要になる。 (吉田真紀)
2025年(令和7年)10月12日(日)