福岡第621回 戦略的関係の維持を 日韓関係を展望/奥薗秀樹教授

西日本政経懇話会の11月例会が21日、福岡市のソラリア西鉄ホテル福岡であり、静岡県立大の奥薗秀樹教授(現代韓国政治外交)が「韓国政治と現在地の日韓関係」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
日韓関係を改善した保守系の尹(ユン)錫悦(ソンニョル)氏が弾劾された後に進歩系の李(イ)在明(ジェミョン)大統領が就任した。以前は、強い言葉で日本を批判していたため、国交正常化以来最悪とされた文(ムン)在寅(ジェイン)政権路線への回帰が懸念されたが、一変した。
李大統領は「日米韓連携を堅固にする」と語っている。これは「尹氏の外交路線を引き継ぐ」と言っているのに等しい。元慰安婦問題や元徴用工問題にも「国家間関係では政策の一貫性が重要」と言及している。
李大統領は盧(ノ)武鉉(ムヒョン)、文在寅両元大統領がいる主流派ではない。イデオロギーに基づく政策ではなく、現実主義者の政治家。良好な日韓関係を利と判断する限りは崩れないとみられる。
歴史問題と経済・安全保障などを切り分ける「ツートラック」を堅持することで関係を構築できるかが問われる。 (飯村海遊)
2025年(令和7年)11月23日(日)





