西日本政経懇話会

北九州506回伝統継ぎ、新たな陶芸追求/佐賀の「三右衛門」語る/西日本会合同企画

53be3a004d47f1385cfd7c524ee59b7773c43545.jpg佐賀県の陶芸を代表する有田焼の柿右衛門窯と今右衛門窯、唐津焼の太郎右衛門窯の当主3人が肥前窯業の未来について意見を交わすイベント「三右衛門が語る」が16日、福岡市のホテルで開かれた。西日本政経懇話会と西日本支店長会、パートナーズクラブ、地域フォーラムの合同企画。有田焼は今年が創業400年に当たり、伝統を継承しながら独自の作風に挑み続ける3人の話に約400人が聞き入った。
 佐賀県立九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長の司会で、3人がそれぞれの窯の特徴を紹介。陶芸家であり経営者でもある立場から、当代らしさをいかに確立していくかについて十四代今泉今右衛門さんは「様式にこだわって理屈を言いすぎると、そこに収まろうとしてしまう。自分が表現したいものを作るのが大切」と指摘。十五代酒井田柿右衛門さんは「昔の様式と今の作品の絵の具や釉薬(ゆうやく)を一つ一つ比較検証することで、いいものが生み出せると思う」と話した。
 有田焼創業400年について十四代中里太郎右衛門さんは「県内の産地が一丸となって協力し合い、佐賀の焼き物を日本、世界へと広げていきたい」と決意を述べた。 (下村佳史、杉野斗志彦)

これまでの記事一覧