西日本政経懇話会

筑豊514回 EU離脱の今後 注目/伊藤さゆり氏が講演

mFGK4OTVU.jpg 西日本政経懇話会9月例会が26日、飯塚市片島のパドドゥ・ル・コトブキであり、ニッセイ基礎研究所上席研究員の伊藤さゆり氏が「英国『EU離脱』と日本経済」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

 英国は6月の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた。想定外の結果に国内外の市場は動揺し、日経平均株価は1日で約1200円下落。メディアは「第2のリーマン・ショックになるのではないか」と報じ、市場の変動を「離脱ショック」と呼んだ。

 その後どうなったか。国内外ともに、翌週にはショック前の株価の水準に戻り、世界経済に大打撃を与えることはなかった。大半の外貨準備や外国為替取引で使われている米ドルと比べると、英ポンド(の取引量)は1割程度。基軸通貨とはいえないことなどが要因だろう。

 欧州にある日系現地法人は4千社超。そのうち英国にある法人は最多の約870社で、欧州でのビジネスの拠点になっている。EUから離脱すれば、それらの企業が貿易で新たに関税がかかったり、欧州の情勢がつかめなくなったりするかもしれない。今後、英国がEUとどう交渉していくかが注目される。 (中島早貴)

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