西日本政経懇話会

久留米第614回 対日制裁、影響は限定的/東京財団の柯隆氏

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 西日本政経懇話会2月例会が25日、久留米市内であり、東京財団主席研究員の柯隆氏が「2026年の中国経済の展望と日中関係悪化の行方」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 日中関係の悪化が取り沙汰されているが、私は悪化していないと思う。つい先日までの日中友好(のムード)はまぼろしだった。評論家は台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁が転換点と言うが、その前の昨年10月31日に日中首脳会談があった。会談後の記者会見で、高市首相は香港や新疆ウイグル自治区などの人権問題について懸念を伝えたと述べた。これで習近平国家主席のメンツがつぶされた。不満を抱えていた中国政府は、高市首相の台湾有事発言をチャンスと思い、反発した。
 習政権は観光客への日本渡航自粛勧告や水産物の輸入規制などのカードを切ったが、日本にとってほとんど実害はない。レアアース(希土類)などの輸出規制も、日本企業は在庫があり影響は小さい。
 中国経済の状況は深刻だ。新型コロナ禍のロックダウン(都市封鎖)の影響で多くの中小零細企業がつぶれ、若者の失業率が高くなった。貯蓄に走る中でお金が海外に逃げ、経済が回復しない状況に陥っている。
 今後の日中関係は、拙速に友好に戻らなくていい。冷静に考えて問題を解決し、文化交流や人的交流を軸にした日中関係を再構築するべきだ。 (岡部由佳里)

2026年(令和8年)02月27日(金)

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