久留米第528回 「働き方改革の重要性発信を」/慶大教授の樋口氏講演
西日本政経懇話会2月例会が6日、久留米市であり、慶応義塾大商学部の樋口美雄教授が「働き方改革と生産性の向上」と題して講演した。要旨は次の通り。
1997年の金融危機を機に、日本企業は株主視点の短期的な利益にシフトした。正社員を減らし、いざとなれば非正規を雇い止めする傾向が強まった。企業は人を減らすばかりで、生産性向上のために、どれだけ(商品やサービスの)付加価値を高める努力をしてきたのか。運送業ではようやくサービスに見合う料金を取る流れが出てきた。
働きがいを調べた国際調査で日本は最下位。この20年で失われた生産性3原則(雇用の維持拡大、労使の協力、成果の公正な分配)をもう一度考える必要がある。経営トップが残業時間やノルマなど社内の実態と成果を「見える化」し、働き方改革の重要性を発言し続けることが重要だ。
2018年2月7日