久留米第612回 「小さな成功 積み重ねを」/藻谷氏が地域活性化で講演
西日本政経懇話会12月例会が16日、久留米市内であり、立教大大学院特任教授の藻谷ゆかり氏が「人口減に立ち向かう地域活性化策」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
日本は2010年をピークに人口が減少傾向にある。非正規雇用の始まりなどで(団塊ジュニア世代の多くが出産期を迎える時期に)第3次ベビーブームが起きず、減少局面に入った。
北海道東川町は「写真の町」を打ち出している。「写真甲子園」を開催し高校生を招待。宿泊はホームステイを取り入れ、町の人との交流を生んだ。さまざまな工夫で東川町の人口は微増している。うまくいっている会社や自治体は小さな成功を積み重ねている。
日本は、インバウンド(訪日客)消費が半導体輸出額を超え、ゲームやアニメなどのコンテンツ輸出も半導体に迫る勢いだ。訪日客消費の増加は、宿泊業や飲食業、農業の所得増につながり、地方経済の活性化になるのではないか。
魅力的な高校の学科設置は地元の高校生の可能性を広げ、地域外からの進学も期待できる。日本語学校の設置で、留学生のアルバイトが地域の産業にとって重要な労働力になった事例もある。将来に備え、地域活性化につながる行動が必要だ。 (岡部由佳里)
2025年(令和7年)12月18日(木)





