西日本政経懇話会

久留米第610回 「Z世代の消費傾向」講演/ライター・編集者の稲田氏

久留米 稲田.jpg 西日本政経懇話会10月例会が16日、久留米市内であり、ライターで編集者の稲田豊史氏が「タイパ化する世の中 倍速視聴から見えるZ世代の消費傾向」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 映画やドラマを倍速で視聴したり、10秒飛ばしで視聴したりするスタイルが浸透している。最初に定着したのは大学生から30歳くらいまでのZ世代。映画やドラマを見る行為が作品の鑑賞からコンテンツの消費に変化し、短時間で多く消費することが得だとなった。
 倍速視聴の背景には、サブスクリプション(定額利用)サービスなどの登場による供給作品数の増加がある。コミュニケーションのためにみんなが見ているものを旬のうちにチェックする必要があり、その数が多いためタイパ(時間対効果)が大事になっている。
 Z世代は「失敗したくない」という気持ちが強く、最短距離で「正解」にたどり着きたいという意識がある。仕事でも効率よく成長しないと置いていかれる、という強い焦りがある。
 Z世代には、結論を早めに分かりやすく示すことが必要だ。商品やサービスそのものではなく、そのコンテンツの作り手や評判などを重視する傾向もある。そういった傾向を意識し、消費者ではなく、拡散者としてZ世代を捉えることが重要だ。 (岡部由佳里)

2025年(令和7年)10月18日(土)

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