西日本政経懇話会

政懇第7回合同例会 「結果を作るための外交戦略を」/田中均氏が講演

 西日本政経懇話会の12月合同例会が10日、福岡市博多区のホテルであり、元外務審議官で日本総合研究211fc51584aecc44da3d8841a1c485de4bc175ad.jpg所国際戦略研究所理事長の田中均氏が「世界の変動と外交の課題」と題し、約220人を前に講演した=写真。

 田中氏は1989年の冷戦終結以降の国際情勢について「グローバリゼーションが起き、各国の国力の差が縮まる一方で、先進民主主義国では貧富の格差が拡大し、人々の大きな不満を生んだ」と解説。現在の国際情勢について「何十年に一度の非常に大きな激動期が来ている」と語った。

 米国と中国の貿易戦争については「ハイテク産業を巡る覇権争いであり、対立の本質は、国家資本主義と自由民主主義に基づく市場体制の極めて深刻な争い」との見方を示した。

 北朝鮮問題では外務省時代、2002年の第1回日朝首脳会談を導いた交渉を振り返りつつ「拉致問題の解決は核ミサイル、経済協力、国交正常化とまとめて交渉しないと無理だ」と持論を述べ、政府に対し「結果を作るための外交戦略が必要だ」と指摘した。

 (神屋由紀子)

2018年12月11日

これまでの記事一覧