西日本政経懇話会

北九州505回 「与野党は国家像競え」/伊藤惇夫氏が講演

f14acd6f05eae3230e088d83164c40fe48606ba8.jpg 西日本政経懇話会の1月例会が26日、小倉北区のステーションホテル小倉であり、政治アナリストの伊藤惇夫氏が「2016年の政治展望」と題して講演した。要旨は以下の通り。
 第2次安倍政権は安定している。支持率は発足当初から10%ほどしか落ちていない。これまでの政権と比べても、極めて強靱(きょうじん)だ。
 なぜ安倍政権は強いのか。まず「民主党政権へのトラウマ」が大きい。あと「期待感の醸成」がうまい。地方創生、女性活躍、1億総活躍…。キャッチフレーズを次々と打ち出し、イメージを刷新してきた。国民も期待し続けてきたが、不満に変わる可能性もある。
 今夏の参院選。課題はやはりアベノミクスだろう。経済復調の実感が無いまま、期待感だけで安倍政権を良しとするのか。ただ現状のままなら、野党の惨敗は免れないだろう。それほど今の野党は非力だ。
 野党は目先の個別政策でなく、長期的な国家ビジョンを示してほしい。日本は既に成熟し、高齢化と人口減で下り坂を迎えている。いかに衰退を緩やかにし、フラットにするかが政治に問われている。自民党が「安定」に安住されては困る。与野党が国家像を競い合うことで政治に緊張感が生まれるのではないか。

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