医療の谷間に取り残された子どもたちに手を差し伸べることはできないかー。
そんな記者たちの思いを受けて西日本新聞は1970年11月から1年間、医療キャンペーン「いのちを守る」を展開しました。この企画は福岡市立こども病院・感染症センター開設のきっかけとなり、71年には連載に触発された小児科医や主婦たちが「福岡こども病院設置期成会」を結成。市民の集いを開いたり、県や市へ陳情を繰り返したりしました。運動がバネとなり福岡市はこども病院の建設を決定、80年9月、福岡市中央区唐人町に開設しました。

開設に先立ち西日本新聞はテレビ西日本と募金活動を展開。寄せられた1億円を基に基金が創設され、医師たちの研究活動を支えています。こども病院は2014年、福岡市東区香椎照葉に新築、移転され、現在も九州をはじめ西日本地域の小児専門の高度医療機関として大きな役割を果たしています。