アドバンス21体験記
アドバンス21体験記を話してもらいました。
profile
清田 慎弥
2002年入社/
16年目にアドバンス21を実施(総合ビジネス部門)
IT・デジタル先進国のアメリカで、先行して実装されている多種多様なサービスを現地で体験したくて、ニューヨーク、シアトル、ロサンゼルスなどを訪問しました。研修当時はグループ会社の西日本新聞メディアラボに出向して、新聞社のデジタル化推進、新規事業検討の担当をしていたこともあり、情報収集やアイデアに繋がるきっかけをつかめたらいいなと考えていたからです。研修を利用して、サンディエゴにある事業提携先のチョークデジタル社の本社にも立ち寄り、今後の収益拡大について意見交換してきました。普段は東京事務所を通じてやり取りしていましたが、対面で話すことでこちらの意図や課題を明確に伝えることができ、研修後はコミュニケーションのスピードが上がりました。
デジタル化、キャッシュレス化が進むアメリカでは、スマートフォンと通信環境があれば支障なく過ごせることを実感しました。日本より5年以上先行している印象で、事業者も生活者(ユーザー)もリテラシーが高く、生活に不可欠なものとしてサービスが馴染んでいました。特に、最も実用的で便利さを実感したのがUberやLyftなどの自動車配車サービスです。スマホで事前に料金や目的地へのルート、運転手の評価などが確認でき、降りるときの支払いプロセスもなく、旅行者でもストレスを感じませんでした。運転手(隙間時間の報酬目当て)と利用者(安く移動したい個人)の需給関係が成り立っている印象でした。ニューヨークなどの都市部では、キャッシュレスで利用できるシェアサイクルも普及しており、通勤通学や観光の移動手段として、気軽に利用されていました。
ネット環境があれば一定の情報収集は可能ですが、サービスの利用価値や需要は実体験でなければ確認できません。日本ではタクシー業界の反発などで足踏み状態の自動車配車サービスも、アメリカでは一部の空港に「TAXI」とは別に「SHARE RIDE」の乗り場があり、市民権を得ている状況がうかがえました。普及の背景にはアメリカ特有の合理社会がありますが、国民性や地域性が異なる日本でも、過疎地の公共交通難や都市部のタクシー不足など、地域ごとの課題解決策として利便性を訴求できれば広がる可能性は大いにあると感じました。新規事業開発において、顧客ニーズや課題把握は重要な要素であり、現場での取材・体験に基づく視点を忘れずに業務に励みたいと思います。