15日から聞き書き新シリーズ 「山峡のシンフォニー」 土呂久鉱害の記録作家 川原一之さん
2017.12.13 05:24 PM
聞き書きシリーズは15日から新連載が始まります。宮崎県高千穂町で起きた土呂久(とろく)鉱害の被害告発(1971年)から、半世紀近くにわたり土呂久を見守り続けてきた記録作家、川原一之さん(70)=宮崎市=の「山峡のシンフォニー」です。
川原さんは北九州市戸畑区出身。早稲田大政治経済学部卒業後、69年に朝日新聞社に入社し、初任地の宮崎で土呂久鉱害に出合います。奥深い峡谷に暮らす被害者に触れ、その生きざまに心を奪われます。75年には新聞社を退社し宮崎へ戻ります。
支援者として被害者に寄り添い「口伝 亜砒(あひ)焼き谷」(岩波新書)や「土呂久羅漢」(影書房)などの著書で土呂久を伝え続けてきました。
谷間の集落の暮らし全てをのみ込んだ鉱毒被害。その中で懸命に生きてきた人々の語りは、まるで峡谷に響き渡る交響曲のよう。その思いをタイトルに込めています。聞き手は宮崎総局の中山憲康です。
=2017/12/13付 西日本新聞朝刊=