聞き書きシリーズは１３日から新しい方が登場します。福岡市で６０年近く高級服飾専門店を経営している「ヒサシホラヤ」代表取締役会長の洞尚さん（８４）＝福岡市南区＝です。

　全国有数のオシャレな街として知られる福岡のファッション界の先頭を走ってきました。博多の商業の中心・下川端の呉服店に生まれ、欧州を中心に有名ブランドと直接取引し、アルマーニ、セリーヌ、ヴァレンティノなどを全国に先駆けて福岡に持ち込んだパイオニアです。

　バブル崩壊後の２００５年、相次ぐ店舗改装と積極的な出店という攻めの経営が裏目に出て民事再生法による再建計画を申請しましたが、丸１０年で債務を返済。ホラヤは生き残りました。

　人生１００年時代、洞さんのファッションに対する思いがほとばしります。

　「ファッションは単なるオシャレの道具ではない。それを身に着ける人の人生そのものだ」　タイトルそのままの波瀾（はらん）万丈にご期待ください。聞き手は本社会長の川崎隆生です。

＝2017/06/08付 西日本新聞朝刊＝