次の連載随筆 「万葉びとの筑紫」 万葉学者 上野誠さん 4月4日から
2016.03.31 02:51 PM
文化面の連載随筆は、ノンフィクション作家梯久美子さんの「わたしの旅ノート」に続き、4月4日から万葉学者上野誠さんの「万葉びとの筑紫」が始まります。
上野さんは1960年福岡県朝倉市生まれ。福岡大大濠高、国学院大、同大大学院へと進み、同大学院博士課程後期単位取得満期退学。現在は奈良大教授として、歴史学や民俗学を取り入れた独自の万葉研究を切り開き、「古代日本の文芸空間‐万葉挽歌(ばんか)と葬送儀礼」「万葉びとの奈良」「折口信夫 魂の古代学」など多くの著書があります。
連載では大伴旅人、山上憶良など筑紫歌壇を彩った人々の歌をたどり、当時の心の機微に思いをはせます。挿絵は奈良市出身で福岡市在住の画家猪立山三鈴(いたてやまみすず)さんが担当します。ご期待ください。
●筆者の言葉
教養人とは何か。私ごとき者にはもとより、教養などないが、私は自分の足元を見つめて、そこから世界を考えることができる人のことだと思っている。自分の住む地域の歴史や文学を知らぬ人は、真の教養人ではなかろう。
私は、8世紀の九州を生きた人びと、いや生き抜いた人びとのことを、今、語ってみたい。彼らはどう考え、いかに生きたか。楽しい宴(うたげ)、苦しい旅、友との別れのことを語ってみたい。それが、万葉への旅となるように。
=2016/03/31付 西日本新聞朝刊=