30日から聞き書き新シリーズ 「草原と私たち」 阿蘇草原再生協議会会長 高橋佳孝さん
2015.11.27 04:07 PM
聞き書きシリーズは30日から、草原生態の専門家で、熊本県阿蘇地方に広がる日本最大の草原の保全に取り組む阿蘇草原再生協議会会長の高橋佳孝さん(61)=島根県大田市=の「草原と私たち」が始まります。
高橋さんは1954年、北九州市生まれ。小倉高卒業後、岩手大の畜産学科で「草地改良」を学び、大学院を経て農林水産省に入りました。赴任先は近畿中国四国農業研究センター(大田市)。ここで草原の研究を深め、保全へ向けた提言活動を行っています。
草原は放置すると木などがはびこり、やぶ化します。「千年の草原」と言われる阿蘇の草原は、大昔から放牧や採草に利用され、冬を越える頃に行う火入れ(野焼き)によって、その美しい景観を保ってきました。
しかしいま、農家の高齢化や担い手の不足で、野焼きはボランティアの支援に支えられています。将来の存続が危ぶまれる草原をどう保全し、次の世代へ引き継ぐか-。私たちの環境にとって大切な草原再生の仕組みづくりに関わる高橋さんに、阿蘇支局の島村史孝が尋ねます。
=2015/11/27付 西日本新聞朝刊=