聞き書きシリーズは２０日から新連載が始まります。日本映画をリードしてきた東映の元会長高岩淡さん（８４）＝京都市右京区＝の「がむしゃら」です。

　高岩さんは１９３０（昭和５）年、福岡市生まれ。熊本陸軍幼年学校時代に終戦を迎え、旧制福岡高校、九州大学経済学部を経て、５４年に東映入社。同社の京都撮影所で長年製作畑を歩き、７１年から撮影所長。その間、片岡千恵蔵さんや中村錦之助（後の萬屋錦之介）さんが主演した時代劇をはじめ、鶴田浩二さんや高倉健さんが人気を集めた任侠（にんきょう）物、菅原文太さんの代表作「仁義なき戦い」などに関わってきました。

　その後、同社の社長、会長を歴任。２０１２年に相談役を退くまで、６０年近く映画の世界に生きてきました。代表作に企画で携わった「柳生一族の陰謀」、製作総指揮の「男たちの大和／ＹＡＭＡＴＯ」など。

　作家の檀一雄さんは異父兄。女優の檀ふみさんはめいにあたります。戦前、戦後を精力的に駆け抜けてきた高岩さんの人生を写真部の弦本主税がつづります。

＝2015/01/17付 西日本新聞朝刊＝