15日から聞き書き新シリーズ 「わたしの百物語」 画家 池田 龍雄さん
2014.04.12 03:56 PM
聞き書きシリーズは15日から、画家・池田龍雄さん(85)=東京都練馬区=の「私の百物語」が始まります。
池田さんは、佐賀県伊万里市出身。日本海軍の予科練に15歳で志願し、特攻隊員として出撃・戦死を目前に終戦を迎えました。戦後は普通の社会人になるため佐賀師範学校に進学しましたが、特攻隊員だったことによって教職不適格の烙印(らくいん)を押され、追放されます。
戦前の国家に裏切られ、戦後は民主化政策によって排除された池田さんは、何者にも支配されない世界を目指して画家への道を踏み出し、岡本太郎、安部公房ら多様な人々との交わりの中から、社会派の前衛画家として1950~60年代、最も注目される存在になりました。
反権力・反戦を貫き、東日本大震災の後も福島原発事故をテーマにした作品を描き続けています。間もなく戦後70年。人々の記憶が薄れている戦争体験や、池田さんが感じてきた社会の変化を、報道センター編集委員の井口幸久がうかがいます。
=2014/04/12付 西日本新聞朝刊=