10日から聞き書き新シリーズ 阿蘇火山博物館学術顧問 須藤靖明さん
2014.02.08 03:28 PM
聞き書きシリーズは10日から熊本県の阿蘇火山博物館の学術顧問で火山物理学者、須藤靖明さん(70)=同県菊陽町=の「火山とともに」が始まります。
須藤さんは東京都出身。京都大学で地球物理学を専攻し、大学院生時代から阿蘇山の裾野にある同大火山研究所で火山地震研究の道を歩き始めます。
以来、50年近くにわたって阿蘇火山に寄り添い、その地下構造、爆発・噴火のサイクル、世界でも珍しい高温の火口湖の仕組みなど、同火山の活動の姿と謎の解明に取り組みました。阿蘇の状況を診断できるという意味で「阿蘇火山のホームドクター」と言われるゆえんです。
研究成果として、中岳の活動源であるマグマだまりの位置について、火口西方約3キロの草千里ケ浜の地下にあることを突き止めたことも知られます。
また、文芸作品にみる阿蘇火山の活動という視点も深めました。聞き書きでは阿蘇山以外の火山の話も含め、研究一筋に歩いた須藤さんの世界を、阿蘇支局の島村史孝が見つめます。
=2014/02/08付 西日本新聞朝刊=