内定者の声
※肩書や内容は2024年10月時点のものです小田 瑞穂
波多野 澪
内藤 梨花
原口 桜子
01 西日本新聞社の記者を目指したきっかけと入社を決意した理由について教えてください。
内藤
テレビか新聞かで迷っていたけど、いろいろ考えて新聞の方が時間をかけて取材できると思った。剣道をしていたから、玉竜旗(※西日本新聞社主催の高校生剣道全国大会)もあるし、実家が西日本新聞を取っていたから一番身近だったのも理由。大学の説明会に行って話を聞いて、自分がやりたいことや読者との距離感の近さを考えると、西日本新聞社がいいなと思って決めました。
原口
私はもともとニュースを見るのがすごく好きで、趣味みたいなもの。自分なりに社会に対していろいろ思うことがあって、自分の気持ちを形にできるところが新聞記者だと考えた。大学が法学部で、法律学、社会学、経済学といった学びを活かせる仕事がしたいと思った。内々定を受けるかどうかは、自分がどういう気持ちになるかで最後は決めようと思っていた。西日本新聞社から内々定の電話がかかってきた時、本当に涙が出るぐらい嬉しくて。ちゃんと涙が出ました(笑)。受諾の電話の時にその涙が勝手にポロッと出て、もうこれが運命だなと思って、それで受諾しました。
波多野
私も原口さんと似ていて、大学で学んできたことを活かせる仕事がしたいなっていうのが、ずっと自分の気持ちの中にあった。自分の専攻と全然違う仕事に就くのが、私はすごくもったいないなと思っていて。新聞記者なら、学んできたことを生かせると思ったのが理由です。西日本新聞社を選んだきっかけは、以前連載されていた企画「新移民時代」です。私が多文化共生にすごく関心があるから、それを知った時に「この会社、いいな」と思いました。あとニュースを外国人や子どもにも伝わりやすくした「やさしい日本語」も地方紙でやっているところはなかなかないから、そういうところ見て、自分のやりたい取材分野を一番できそうだなって思いました。
小田
記者になりたいと思った理由で一番大きかったのは、2023年にカンボジアに行ったこと。カンボジアは内戦で虐殺が起きた。あの時にちゃんと報道が機能してたら、こんな悲惨な歴史にならなかったんじゃないかって思って、やっぱり報道って大事だなと思った。西日本新聞社に決めた理由は九州が好きだし、あとは福岡だけではなく九州の複数県を取材・発行エリアとするブロック紙というのもあって、行くしかないと思った。
02新聞社の面接では、あるニュースに対して考え方を聞かれることが多くあります。それに対して時事対策はどうしていましたか。
内藤
もともとアプリとかで新聞を読むし、ゼミが1週間に2回あって、気になったニュースの話をする時間もあったから、絶対にニュースを見ないとついていけない。知っているだけじゃなくて、どう思いますかって聞かれると思ったから、ただ見るだけじゃなくて、怒りでも喜びでも意見を考えるようにしていました。
原口
私も一緒かも。だからX(旧Twitter)で、ネットニュースのアカウントをフォローして、タイムラインに流れてくるようにして日本全体のニュースを把握していた。西日本新聞は九州のニュースを主に取り上げているから、九州の中で、それぞれの県でこういうトピックがホットワードだな、というのを把握していた。熊本県の水俣病についてはよく聞かれたので、とにかく把握するようにしていました。
波多野
私は、みんなが就活している時期にまだ留学中で、国外にいた。日本にいる時は、テレビのニュースを流し見るのが習慣にあったんですけど、それができなかった。現地のカナダのニュースは見ていたけど、日本のことは分かんないなって思って。それで私がポッドキャストを聞くのが趣味なので、ニュース系のポッドキャストを聞いて情報を仕入れていた。あとは就活する上でいろんな新聞社があるけれど、 特に地方紙のことはあんまり知らないなと思って、各紙のサイトに直接アクセスして、自分が気になるニュースを見ていた。
小田
私もポッドキャストで聞いていた。西日本新聞社に決める前は、 いろんな新聞を図書館で読んでいた。 絞ってからは西日本新聞ばかり読んでいた。ただ読んでいただけだったのを、「自分だったらどうやって切り込むかな」とか考えるようになりました。
原口
私は毎日日記をつけているんだけど、その日に心に残ったニュースは、就活の最後の3カ月くらいは毎日書いて、「自分はこういう意見を持った」といったことをメモしていました。面接で聞かれることも多くて、自分の意見を出しやすかったのでおすすめです。
日記の内容が、面接で聞かれた時に実際に役に立ったんですね。
原口
就活をやっている中で、最近のニュースをどれだけ見ているかっていうのは、どこを受けても聞かれる。今日の昼のニュース見てきましたか、とか。新鮮な情報を現在進行形で見ているのかは、すごく大事な観点だったなと思っています。
03皆さんの“ガクチカ”を教えてください。
小田
やっぱり研究内容かな。私の研究は「土砂災害を早めに検知できないか」というもの。データをまとめて考察をするんだけど、それが結構大変。どうしても見たいようにデータを見ちゃう。ちょっとでもデータが動いていたら、これで検知できたって言えるんじゃないかって言いたくなっちゃう。論理を飛躍させちゃうから、それをしないように自分で頑張るのが一番大変だった。
波多野
私はサポートが必要な留学生1人につき、チューター1人が付くのを決める団体に入っていて、そこのリーダーをやっていた時の話をしていました。来日した留学生の行政手続きや入寮手続きを支援したり、日本語の困りごとを聞いたりしていた。留学生との関わり自体は楽しく活動できていたけど、リーダーになったら事務的な仕事が多く、チューター30人をまとめる上での苦労話をしていました。
原口
なるほどね。私も生徒会みたいなことをする学生団体の部長をしていました。部員が 100名弱いて、新入生や留学生の歓迎イベントなど、いろいろ企画していました。何が一番大変だったかっていうと、企画や運営のノウハウがなくなっていたこと。私の1学年上は、企画が全て新型コロナウイルスで実施できなかった。私の代は最初からつくらなきゃいけなくて。次の代も大変だと思って、そういうノウハウも全部ワードに起こしていた。それが本当に大変だったけど、結果としていいガクチカにはなったと思います。
内藤
私は就活のネタにするために、サークルやボランティアで活動するのは、ちょっとずれていると思っていた。ボランティアする目的が「ボランティアしたい」じゃなくて、「就活で話したいからボランティアする」っていうのは、 逆転しちゃってるのが嫌だって思った。でもエントリーシートでガクチカを書かないといけないから、じゃあ自分が大学で4年間勉強したことを書こうと思って。国際法は環境の勉強もするし、海洋法の勉強もする。薄く浅く広くだったから、ゼミがガクチカになったと思う。私は、この職業に就きたいと思わせたのがガクチカだと、勝手に理解していました。
原口
成果や到達地点を聞かれるよりは、その過程で自分がどういう取り組みや工夫してきたか、といった話を聞かれるよね。
波多野
うん。成功体験っていうわけじゃないよね。
原口
ガクチカだから、長期インターンに行くとか、すごいことしないといけないと焦って思ってしまうけど、そうじゃなくて、今やっていることをうまく伝えるだけで大丈夫だよっていうのは伝えたい。
小田
特に背景じゃない?なんでやったか、とか。
波多野
新聞社に限らないかもしれないけど、新聞社の面接官は記者経験者が多いから、動機のところを掘りたい人も多いなと思った。 そこを自分なりに熱意やきっかけを整理して話せたら、面接官に納得してもらえると思います。
皆さんで話がちゃんと回っているから、私の出る幕がない…。
04 新聞記者、特にブロック紙である西日本新聞では結構大事なポイントになりますが、転勤があることについて正直どう思っていますか?
波多野
私は新しい土地に住むこと自体にはあんまり抵抗がない。出身が岡山で、学部生の時に神戸に行って、大学院で大阪に行って、その間に留学でカナダにも行った。私はカフェ巡りが好きなので、いいお店を見つけられたらいいなって考えています。一つだけ気になるのは、私、九州には縁がないので友人がいないっていうところ…。
原口
私たち同期がいるじゃない(笑)。
波多野
私は休みの日とか、人と出かけたり人と会ったりすることが好きな人間なので、そこだけが心配かな。あと引っ越しの準備が面倒くさいな(笑)。
取材しているとすぐ仲良くなれますよ。現地で友達を見つけようと思えば良いと思います。ちなみに転勤の時は、会社が引越し代を全て負担しています。
原口
全国紙の面接で、九州出身だけど岩手県の山奥とかになるかもしれないよ、と聞かれて「大丈夫です」と言っていました。でもよくよく考えたら、人生設計的に結婚や子育てもやりたいなって思っています。だからこそ、なるべく限られた地域で動ける方が自分のライフステージには合っているかな。でも見る世界は狭めたくなかったんよね。特定の県だけで働くのも、自分のやりたいこととはちょっと違うのかなと思った。ブロック紙だと九州内をいろいろ取材に行けて、大阪や東京にも出張できて、自分のやりたいことと、これからのライフプランに合っていると考えました。
内藤
私は生まれてからずっと福岡だから、1人暮らしをしたことがない。 2023年の夏に3週間、タイに行ったのが実家から離れた最長記録。タイに行く前はまだ新聞記者になりたいな~くらいだったから、転勤が正直怖かったけど、その3週間離れたことで「全然いけるやん」って思った。
小田
私も転勤はむしろ楽しみ。全然苦ではない。知らない土地だからこそ気づくことって絶対あると思う。そういう意味ではすごくプラスに働くんじゃないかなと思っています。
05行ってみたい部署や取材拠点はありますか?
波多野
私は北九州に行ってみたい。西日本新聞北九州本社のポッドキャスト「ファンファン北九州」を聞いて面白そうだなって思ったのと、旅行で門司港や関門海峡周辺に行った時に、この辺りのエリアに住んでみたいなと思ったので、一番気になっています。あと北九州市立大学のアンちゃん(アン・クレシーニ准教授)の連載記事が好き。北九州に住んでいる、例えば外国にルーツのある方とか、外国から移住してきた方に取材してみたい。それなりの偏見を受けたり、苦労があったりするかもしれない。
小田
私は長崎。平和や西九州新幹線を巡る問題など話題が多い。原爆の語り部さんの後継者や被爆者の高齢化に伴う問題に興味がある。西九州新幹線は未解決の問題もあるけれど、経済や人の流れがこれから変わると思うので、どう変化していくかも気になります。ただ長崎市内は車の運転が怖い…。
私は長崎勤務の経験がありますが、確かに道が狭くて坂道があって、路面電車が走っていて、原付バイクも走り回っているからね。ちなみに新人記者が本社以外の取材拠点に着任する際には、会社負担で運転講習を受けてもらっています。
内藤
戦争に関わる勉強を大学でやってきた身としては、長崎はできる限り早い段階で行きたい。国際法を学んできたから、核兵器の存在の是非を、新聞を通して問いかけたい。いろんな意見があっていいと思うけど、まず読者の人たちが考えるきっかけをつくりたい。記者としての大きいゴールは海外支局への着任かな。タイや韓国に行ってみたい。
原口
私は大学で被害者と加害者、それぞれの視点から事件を見ることを主に研究しています。中でも少年事件に重きを置いていて、少年鑑別所や家庭裁判所に行って、実際に少年から話を聞きました。家庭環境のような外的要因で犯罪にたどり着いてしまっている子が本当に多い。新聞社として、第三者の目や耳になって話を聞くことにで、救いや助けになれる部分があるんじゃないか、それを伝えることで同じような境遇の子どもたちにも届くものがあるんじゃないかって思っています。あと水俣病も真剣に学んできたので取材してみたい。熊本にはTSMC(※半導体受託生産の世界最大手である台湾企業)の工場が建っている。TSMC自体は歓迎ムードで明るいニュースとして取り上げられているけれど、負の側面もある。工業排水問題があり、これが第二の水俣病を引き起こすんじゃないかと不安に思っている周辺住民もいる。注意して見ていきたい。
少年事件に関して言えば、警察や司法担当の記者がよく取材していますね。TSMC関連は本社報道センターの記者が出張して取材することも多いですね。
原口
絞らず、いろいろやってみたいなと思っています。
06 新聞記者を目指す就活生の皆さんに一言ずつお願いします。
波多野
私は就活を始めたのが遅かった。理由は留学していたこと以外にも、学業や大学生活を犠牲にして就活することが、なんか嫌だなという気持ちがあって。私は多分他の人に比べたら、就活にかけた時間が短いんじゃないかな。だからこそ就活の時に心がけていたことは、自然体で話そうと気をつけていた。面接で話を盛りすぎて嘘までつくと、面接官の人にも伝わっちゃうと思って、 なるべく自分を飾りすぎないで話すように気をつけていた。そういう姿勢が評価されたと思っています。
内藤
大事にしていたのは、どんな時でも、なんで自分が新聞記者になりたいか、新聞記者になったら何がやりたいかは、いつでも言えるようにしていました。とにかく突き詰めて、心の中に常にとどめておくことが就活で心を病まない、面接で困らない一番いい対策なのかなって思います。周りの人と比べると、あの人の志望理由の方が立派だとか、あの人の方が物事を知っている、ということがあるけれど、でも自分は自分だから。「あの人が良かったから自分が落とされる」じゃなくて、私が良かったか悪かったかで評価される。他人と比べない。自分のやりたいことを自分でしっかりと把握した方がいいです。あとは違う業界を目指す人の話を聞くこと。私もそうだったけど、その業界しか調べていないと、視野が広がっているようで、実は狭まっている。大学で食品系の企業を志望していた子としゃべった時に、ハッと気づかされることが多かった。なりたい気持ちは大事だけど、メディア系ばかり調べるのではなく、他の業界も軽く見るのも大事だと思う。
原口
そういう質問、西日本新聞社の面接で聞かれた気がする。「最初からメディアだけに絞っていますか?他の業界を見てメディアに絞りましたか?」ということを聞かれた。私はそう聞かれて「他の業界は、夏のインターンで見ました。秋頃から絞りました」と話しました。視野を広く持っておくことも大切だと思います。
小田
私は、選考で受かることをあまり意識しない方がいいなと思っていました。受かることを意識していたら、 本当の強みをアピールできない。本当はこっちの方が強いけど、別の方が受かりそうだからと思って言っちゃいそう。ミスマッチを起こしかねないと思う。違うことを言って入社したら、後で苦労しただろうなって思う。あと私は、この業界を志望する学生の中でマイノリティの理系。いろんな報道系のホームページで内定者や社員の声を見たけれど、理系出身者があんまりいなくて、だいぶ不安になりました。私がいるから大丈夫だよって伝えたいです(笑)。
内藤
就活を始める前は、先輩が「受かるも落ちるも運命だから」って言っていて「嘘つけ」って思っていたけど、終わってから「確かにそうかも」と思い直しました。「絶対に受かるやろ」って思っていた時に落ちたこともあるし、無理かもって思って受かったこともあった。多分、いろんな先輩が運命とか縁とか言うけれど、最後はパッションで、言語化できない部分で決まる気がします。
原口
私は就活の質問で企業側が重視しているなって思ったのが、未来の話。「入社後にどういうことをしたいか」「現時点でどういうことをやりたいか」という話は絶対に確立させておかなきゃいけない。 成果や努力の過程ももちろん聞かれるけれど、入社した後の自分のビジョンがこの会社と合っているのか合ってないのかというのは、すごく重視されていた。入社がゴールじゃないからね。
すごく良いことを言いますね。最後にもう一言ありませんか?
原口
イベントや企業説明会で、西日本新聞社のブースに立ち寄れる機会があると思うので、ぜひお気軽に参加してください!もし興味があれば、エントリーもよろしくお願いします!みんなで待ってます(笑)。
ありがとうございました。