被災地に通い
復興の軌跡を追う
熊本総局 国崎 万智
2014年入社
※所属部署は取材当時のものです。
熊本地震で甚大な被害が出た益城町や西原村を担当しています。仮設住宅の入居者にお話を伺ったり、生活再建を模索する住民の方たちの話し合いに参加させていただいたりと、被災した人たちの暮らしの現状を伝えることが日々の取材活動の中心です。
素敵な人たちと出会えたときです。在職中に若年性認知症になったことに気付かず早期退職したため、障害厚生年金を受給できない。こうしたケースをなくそうと、法改正を求め、たった一人で署名活動に取り組んでいる福岡市の女性に入社1年目の秋に出会いました。彼女は講演会に呼ばれれば日本各地に駆けつけ、実体験を話し、思いを訴えています。「自分と同じような苦しい思いをする人が出ないように」という一心で。
女性とは、熊本総局に異動になった今も連絡を取り合っています。仕事で落ち込んだとき、彼女の変わらない明るさ、まっすぐさ、信念、思いやりにいつも励まされています。後ろ向きになっている自分のお尻を叩いてくれる存在です。こうした出会い、巡り合わせを感じられたとき、記者という仕事をしていて良かったと思います。
確認不足で野球部の監督の名前を間違えて紙面に掲載してしまったこと。取材を受けてくださった方の思いを記事で表現しきれず、抗議を受けたこと。事件記事の実名・匿名報道の判断でデスクと意見が合わず、衝突したこと。日々試練と失敗の連続です。すがすがしく乗り越えた、ということはほぼありません。落ち込むことばかりです。
自信がなくなったときは、同期や家族、地元の友達に支えてもらっています。仕事でつまずいたら、キャップや年次の近い先輩記者に相談し、アドバイスをもらいます。どんなやり方があるのか、具体的な助言をもらって道が開ける、先をイメージできるようになるととても気持ちが楽になります。
熊本の豊かな自然を満喫しています。写真は、天草の漁港で友人たちと楽しんだ魚釣りの様子です。ほかにも、映画を観る、熊本県内の温泉をめぐる、小説を読む、岩盤浴にこもって汗を流す、公園を走って汗を流す、買い物に出掛ける…ことでリフレッシュしています。
色んな経歴、出身地の記者の人が多いです。原爆、原発、水俣病、ハンセン病、災害など、人の命や人権に関わるテーマが九州にはたくさんあります。そうした問題を抱える現場がすぐそばにあること、関係する人たちの顔を見て直接お話を聞くことができることは、西日本新聞で記者として働くことの良さだと思います。
「 素敵な人に出会えたとき、記者をしていてよかったと思う 」