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記者だより

論説委員の一日 新聞社の意見を伝える

論説委員  坂井政美

 「社説」を読んだことがありますか。ほとんどの新聞に毎日載っています。本紙の場合、日曜日ならこの欄の左、ほかの曜日なら6面を開いてみてください。

 見出しに注目。普通の記事とは少し違います。例えば、学校の体罰問題を取り上げたときは「処分で幕を引くな」。新しい高校教科書の内容については「『今』を考える力を育てたい」。そう、意見を述べているのです。

 新聞記事は事実を客観的に伝えることが原則です。でも社説はその名の通り、新聞社の考えを主張することを目的としています。だから記者個人の署名は入れません。

 世の中で起きたいろいろなことを取り上げ、「それはおかしいよ」「こうした方がもっとみんなのためになるね」と、読者に訴えるのです。

 社の意見といっても、社長が書くわけではありません。

 社説を担当する専門記者を論説委員といいます。本紙には福岡の本社に6人、東京支社に3人いて、それぞれ政治や経済などの分野を担当しています。1面コラム「春秋」も論説委員が書いています。

 毎日午前10時50分、論説会議が始まります。本社と東京を結ぶ電話会議システムを使って、その日、社説に何を書くのかを話し合います。

 最近、環太平洋連携協定(TPP)が大きなニュースになりましたね。米国など太平洋地域の国々との貿易を活発にしよう。そのために輸出入にかかる税金などをなくそうという協議に日本も加わることを政府が決めたからです。

 「自動車などが外国でたくさん売れれば日本の景気がよくなるので、TPPは進めるべきだ」「いや、外国の安い農産物が入ってくると日本の農家は困ってしまう。慎重にしよう」。論説会議ではこんなふうに、社説の内容を議論しているのです。

 社説で、私たちが特に大切にしているのは「地域の視点」です。国の政策などは東京中心で決まってしまうことがあります。それが九州など地方にとって大きな不利益となる心配があれば、正面から反論します。地方自治や地方分権を重要なテーマとしている点が、全国紙の社説とは違うところかもしれません。

 九州は地理的、歴史的にアジアと近いので、アジア各国との交流を重視した主張も本紙の特徴といえます。

 もう一つ言いたいのは、本紙は反戦・平和主義を貫いていることです。九州には被爆地・長崎もあります。

 日本が太平洋戦争への道を歩み始めたころ、全国の大手紙で唯一、本紙の前身・福岡日日新聞だけが軍の脅しに屈せず軍国主義を批判しました。この伝統はずっと受け継いでいきたいと考えています。

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