福岡 502回 「生」の考え方伝えたい/元NHK、宮司の宮田修さん講演
西日本政経懇話会の11月例会が26日、福岡市・天神の福岡国際ホールであり、元NHKア
ナウンサーで、熊野神社(千葉県長南町)宮司の宮田修さん(67)が「アナウンサーが神職に
なって」の演題で講演した。
宮田さんはNHKの看板ニュース番組「ニュース7」などを担当していたが、「毎日、時計の
秒針を見る暮らしから解放されたい」と、千葉県長南町に古民家を借り移り住んだ。その家主が
偶然にも熊野神社の宮司で、体調を壊し、後継者に懇願されたという。
当初は「参拝の作法も知らないから」と断ったが「後を継ぐ者がいないと、地域の祭りも途絶
える」と説得され「役に立てるなら」と承諾。通信教育で神職の資格を取得し、定年退職後に同
神社の宮司になった。
神道を学び、神事など日本の伝統の素晴らしさが分かるようになったという。「なぜ今の私が
いるのか。それは両親がいて祖先がいるから命がつながれていく『中今(なかいま)』に生きる
、という日本人の伝統的な生の考え方があります。現代は個が尊重されるあまり人が孤独に、命
がないがしろになっている」と指摘。神職を通して「中今を生きる考え方を伝えたい」などと語
った。
=2014/11/27 西日本新聞=