大牟田535回 「抑制なくなった自民」/共同通信・柿崎氏講演
西日本政経懇話会10月例会「大牟田」が5日、大牟田市のホテルニューガイアであり、共同通信社論説委員の柿崎明二氏が「安倍超長期政権と日本政治」と題して講演した。要旨は次の通り。
発足した第4次安倍改造内閣で、総裁選で争った石破派の若手の山下貴司氏を法相に抜てきしたのは石破派内の人心を乱すのが目的。党人事も含め、安倍首相が憲法改正を思い通りに進めたい意思が現れている。
ただ9条改正はハードルが高く、自民、公明、維新と野党の一部が賛成できるような案で落ち着かせようとするのではないか。
昔の自民は派閥の領袖(りょうしゅう)同士がけん制し、抑制的に物事を運んでいた。それが全くなくなった。党内で安倍首相の考え方と最も遠い宏池会も、現政権を担いでいる。この1強状態が政治闘争をなくし、危機管理の面など自民のあらゆる問題の根底になっている。どうしたらいいのか。かつてのように派閥の実力者がけん制し合うような状況をつくるのか、政権交代で正していくのか、今は答えはない。
(吉田賢治)
2018年10月6日