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研修制度

超高齢化社会、終の棲家を訪ねて

社会部 庭木香充

 超高齢化社会を迎え、多くのお年寄りがこれまで暮らしてきた地域や家を離れ、施設で生活を送っている。こうしたお年寄りの中には、日本を離れ、東南アジアなど海外に終の棲家(すみか)を求める人たちもいる。なぜ海外なのか。人の生き死にに関わる問題を、自分なりに見つめ直してみようと、研修を利用してフィリピン・マニラ首都圏近郊のラグナ州の有料老人ホーム「ローズプリンセスホーム」に入居している日本人を訪ねた。

 「日本の思い出?仕事でただ忙しかっただけ。それ以外にはない」。入居者の男性(89)は言い切った。秋田県出身で、高度成長期の東京で卵焼きを製造する会社に勤務したが「日本の経済発展で、個人が豊かになることはなかった」と振り返る。老後の収入は年金のみ。日本では、職員の体制や設備がきちんと整った高齢者施設に入り続けるのは難しいと考えてフィリピンを選んだ。フィリピンの施設について「スタッフは親切。人情味がある」と話す。

 千葉県出身で地方自治体に勤めていた男性(80)は、フィリピンの施設近くに一軒家も借り、日中は庭の手入れなどを楽しんでいる。ただ、「保険に入っておらず、大きな病気になると医療費が高額になる。介護が必要になっても生活できるのか」という悩みも抱えていた。

 フィリピンからの帰国後、佐賀県武雄市の高齢者施設にも足を運び、日本の高齢者施設の実情にも触れた。全国の高齢者人口は、2025年には約3500万人に達すると見込まれるという。

 今回の研修で日本が抱える高齢化の問題を学びながら、見えてきたのは「死」とは裏返しの「生きる」ということ。多くの人が安心して心穏やかに暮らすことができる社会の実現に、記者として何ができるか。自分の仕事を見つめ直す機会になった。

(2013年3月28日~4月17日)

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