会社案内

研修制度

「アメリカ素描」

販売部 横山智徳

 2012年8月15日、午前5時半。朝日の写真を撮ろうと湖の前に立った。アメリカ南西部のアリゾナ州。コロラド川の上流をせき止めて造られたダム「レイクパウエル」は、既にうっすらとしたピンク色に染まりつつあった。湖の遥か先に見える地平線が、少しずつ色づいてくる。東の空は赤みを増し、湖もオレンジ色に輝き始める。西の空はまだ深い藍色のままだ。地平線から真っ赤な太陽が顔を出すと東から南、そして西の空にかけて、赤、だいだい、白、水色、青、紫色のグラデーションが現れた。

 アメリカで2番目に大きい人口湖レイクパウエルは長さ300㎞、沿岸線は3200㎞にわたって迷路のように入り組んでいる。「水をたたえたグランドキャニオン」ともいわれ、湖周辺はグレンキャニオン国立レクリエーション地域となっている。

 「写真撮影技術の向上」を目的とした今回の研修。前半はアリゾナ州、ユタ州等の国立公園を回り、後半はロスアンゼルスからサンフランシスコまで、西海岸の海沿いを走った。写真の主役は空。脇役に西海岸の乾いた大地と太平洋を置いた。21日間で、3000回以上シャッターを切った。

 6年前に編集局に異動してカメラと出合った。販売局に戻った後も「好きだから」という単純な理由でカメラを続けた。いつしか道具に凝り始め、ハウツー本を買いあさり、最近は技術ばかり意識するようになっていたように思う。

 写真とは被写体に興味を抱くことから始まる。美しい、すばらしい、面白い。心を動かされたとき、被写体に対して感じたことを切り取る。撮影技術は、それを補うためのものに過ぎない。「目先の成果を追う余り、技術ばかりに気を取られてないか」。入社13年目の今、仕事にも通じる大切なことを、西海岸の空が教えてくれた。

(2012年8月10日~30日)

ヘルプ・総合案内

採用情報

メディア案内

サービス

購読申込み

西日本新聞ネット書店

求人情報 webサクセス