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「スポーツによる地域振興」

東京支社報道部 渡辺晋作

 スポーツによる地域振興の現状を探ろうと、ラグビーの母国である英国を訪ねた。
 まず向かったのはロンドン郊外のウィンブルドンを拠点とする「ウィンブルドンラグビークラブ」。1865年創立の伝統的なクラブだ。
 驚いたのは施設面の充実ぶり。青々とした芝生のラグビー専用グラウンド5面が広がり、テニスコートやクリケットのグラウンドもある。併設のクラブハウスでは、選手たちがビールなどを飲みながら親睦を深める。ラグビー関係者以外でもパーティー会場などとして利用できるという。
 また、同クラブには、子どもから社会人、一線を退いた中年以上など各世代ごとのチームがある。36歳の私も35歳以上チームの練習に参加。日本では年齢を重ねるにつれプレーする場が少なくなるだけに、年齢や技術、能力に応じたラグビーを楽しめる環境は魅力的に映った。英国には同様のクラブが多数あるという。これらのクラブを支えているのは、スポンサーになった地元の住民や中小企業など。世代に応じて気軽にスポーツを楽しめる地域の交流拠点を、地域が支える-。そんな仕組みが根付いていた。
 ロンドン在住日本人のラグビーチーム「ロンドンジャパニーズ」の練習にも参加した。自前のグラウンドはないが、ロンドンには芝生の広々とした公園が各地にあるため、メンバーさえ集まれば練習できる。私が訪問した際はオージーフットボールのクラブが隣で練習していた。東京では多くのラグビークラブが練習場の確保に苦労。国民的スポーツの野球でも、草野球は河川敷でプレーせざるをえないチームが少なくない。国は2011年施行のスポーツ基本法で、市民が気軽に多様なスポーツを楽しめる環境整備を加速させる姿勢を示している。行政によるインフラ整備だけでなく、英国のような地域でクラブを支えるシステムの構築が重要だと感じた。
 次に向かったのは、ロンドンから列車で約2時間のカーディフ。世界有数のラグビー国際大会である欧州6カ国対抗戦のウエールズ対スコットランドを観戦した。
 駅を降り立つと、スタジアムまでの1キロほどの道程には両チームの応援グッズなどを販売する露店が並ぶ。周辺のパブにはスタジアムに入れないファンがテレビ中継を観るため詰め掛け、早くもごった返していた。約7万4千人の観客でスタジアムは熱気が充満。試合終了後も興奮は収まらない。パブやクラブにくり出し、試合の再放送にまた一喜一憂。こじんまりとした街並みは夜遅くまでにぎわった。大規模スポーツイベントによるにぎわい創出の可能性をあらためて実感した。

(2012年2月8日~2月26日)

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