西日本新聞社コーポレートサイト

研修制度

マンタが舞うパラオの海を訪ねて

写真部 岩崎拓郎

 日本の南方3000キロ。赤道にほど近い太平洋上はミクロネシア海域に、大小200以上の島々からなるパラオ共和国。世界有数の豊富なサンゴ礁群落が広がり、様々な熱帯魚が群れ集まる海は、世界的にも類まれな生物多様性の宝庫だ。この海に生息するオニイトマキエイ(通称・マンタ)を見たいという思いを抱き、この海を訪ねた。
 この海域の豊かさを育む最大の要因が「北太平洋赤道海流」だ。北半球の熱帯海域を西に向かうこの海流は、フィリピン沖で北上し、九州にも馴染み深い「黒潮」となって続いており、日本との関わりも非常に深い。
パラオで最も有名な潜水ポイントの一つ「ジャーマン・チャネル」は、私の研修テーマでもあるマンタの生息地だ。マンタは世界最大のエイとして知られ、大きいものは幅8メートル、体重は3トンにも達する。熱帯性の海域に生息し、泳ぎながらプランクトンを捕捉する。マンタとは、ラテン語で「じゅうたん」の意味だ。
パラオでは、3月に入るとマンタは繁殖期を迎え、水深の深い沖合へ移動する。遭遇率の高いとされるこのポイントでも、なかなかお目にかかれないと聞いていたが、今回は3回のダイビングで2回遭遇した。どこからともなく、悠然と現れるマンタの姿は、神々しくさえあった。
パラオのダイビング業界では、この海域にマンタがいつまでも生息し続けられるように①マンタを追いかけたり、不用意に触らない②マンタが現れたら、必ず着底して観察する―などの条件を定めている。写真には、できる限り動かず、じっと肩を寄せ合ってマンタを観察するダイバーたちも写っている。この地点の水深は20メートル前後だ。
 8日間で、計19本の潜水を試みた。積算潜水時間は14時間58分。短い時間だったが、マンタの他にも、さまざまな生き物たちを見ることが出来た。世界的にも魚影の濃さで有名な「ブルー・コーナー」を始め、マンタが泳ぎ回る「ジャーマン・チャネル」、絶滅危惧種のウミガメが優雅にたたずむ「ニュー・ドロップ・オフ」などで、多種多様な生き物たちと出合った。今回、初めてパラオを訪れてダイビングをしたことを契機に、これからも、何らかの形でこの国の海に注目し続け、再び潜ることが出来ればと切に思っている。

(2011年3月20日~31日)

ヘルプ・総合案内

採用情報

メディア案内

サービス

購読申込み

西日本新聞ネット書店

求人情報 webサクセス