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タイで探る日本の医療観光普及の課題

東京支社報道部 田中伸幸

 病気の治療や検診と、観光を組み合わせる「メディカルツーリズム(医療観光)」が日本で注目を集めている。そこで、医療観光の先進地として知られ、日本の医療機関からの視察も多いタイ・バンコクの2つの病院で健康診断を受け、現状を探った。
 最初に訪れたバンコク病院では心臓ドックを受けた。午前7時から受け付けで、人間ドックなどを含めた検診は昼過ぎには終わるので、会社員でも半日休めば受けられる。サミティベート病院では睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査入院をした。
 両病院ともホテルを思わせるような豪華な施設や最先端の医療機器を揃えるなど、ハード面で驚かされる点は多かった。タイは日本と違い、株式会社による病院経営が可能なため、株式上場している両病院は、積極的な設備投資ができる環境にある。だが九州など日本の地方都市でも資金力が豊富な医療法人はあり、同水準の医療サービスは提供できるだろうし、温泉など観光資源も豊富だ。医療観光の展開は十分可能だろう。
 日本の課題は、医師、看護師と患者とのコミュニケーションではないか。両病院では医師や看護師、事務員の多くが英語を話し、レントゲン撮影時には「スッテー、ハイテー」と片言の日本語で声をかけてくれた。英語ができない患者に対しては通訳が付くため、意思疎通に困る場面はほとんどなかった。
 これに対して、外国人に対して十分な説明をできる日本の医療機関がどれだけあるだろうか。両病院が、看護師などを海外留学させるなどして人材育成をしながら、外国人の受け皿をソフト面でも充実させてきたことを見逃してはならない。専門用語を理解できる通訳の確保は、特に地方では容易でない。医療観光の受け皿づくりには人材育成が急務だと感じた。

(2011年2月21日~27日)

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