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京都・奈良を訪ね世界文化遺産の魅力を考える

編集センター 吉丸宣孝

 国内を代表する神社、仏閣がひしめく日本の古都、京都と奈良。古代から政治、文化の中心として、歴史をつむいできた2つの地域は、1994年と98年に、それぞれ「古都の文化財」として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。世界にも認められた価値や魅力とは何なのか。研修を利用して京都の17カ所、奈良の9カ所を訪ね、考えてみた。
 清水寺、銀閣、仁和寺、春日大社、薬師寺...。世界遺産の対象となる構成資産はいずれも、教科書などではおなじみ。だが、私にとっては、初めて訪れる場所ばかりで、見るものすべてがとにかく新鮮だった。
世界最古の木造建築、法隆寺の金堂や五重塔を仰いでは、1400年もの時間を経て、今も目の前の同じ場所にあることに、尊さを感じた。宇治の平等院鳳凰堂では、本尊の国宝・阿弥陀如来像や、壁面に今もうっすらと残る彩色模様に藤原氏の栄華と時間の流れを思った。また、二条城二の丸御殿で耳を澄ますと、幕末、まさにこの場所で、15代将軍徳川慶喜が居並ぶ各藩主に「大政奉還」を宣言した当時の空気に触れたような感慨に浸った。1日に数カ所を巡る強行軍となったが、疲れよりも「本物」に接した充実感と喜びが勝る日々だった。
 訪れた場所で、神社の拝殿に低頭し、寺院の仏像に手を合わせ、30分以上も同じ場所に座り、枯山水の庭園を見つめる多くの人々を目にした。そこに広がる「静」で「清」な空気を感じながら、神道、仏教の持つ神秘的な力と、2つの宗教が培ってきた、質素で荘厳さを愛する日本人の精神性、思想の一端に触れた気がした。
 京都・奈良のまち中をそぞろ歩く途中、道端に掲げられた歴史の由縁が書かれた看板の前で、ふと足を止めては、そのまちが持つ歴史、伝統の奥深さを痛感した。世界遺産の構成資産である著名な神社、仏閣の価値はもとより、古都にちりばめられた史跡、遺構の数々も十分に味わい深い。今回の研修で現地に足を運び、目の前で実物を見て触れることの素晴らしさを再認識できた。

(2011年1月21日~2月9日)

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