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クロツラヘラサギを追って台湾、韓国へ

写真部 岡部拓也

 私は、絶滅危惧種のクロツラヘラサギを継続して撮影している。クロツラヘラサギとは、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠA類に指定され、世界で2000羽しかいないトキ科の野鳥である。毎年10月下旬から11月にかけて、越冬のために福岡に飛来。春になると、繁殖地となる朝鮮半島に戻る。今回は、2009年3月中旬、世界最大の越冬地である台湾・台南市を訪問。7月下旬には、繁殖地となっている韓国を訪ねた。
 台南市のクロツラヘラサギは、一面に広がる養魚場に囲まれた干潟や浅い池に生息している。今シーズン最多で1104羽(昨年11月)。3月中旬で約300羽がいた。台湾では国民の約8割が知っているほど有名な鳥で、パスポートや教科書にも出てくる。日本でいえば、トキのような存在だろうか。台湾では、1992年のクロツラヘラサギ射殺という衝撃的な事件から、2002年のクロツラヘラサギ保護区の制定、ボツリヌス菌による大量死という事故を通じて、国民的な人気を誇る野鳥になるまでの過去の経緯を知ることができた。
 韓国では、7月27日から8月1日まで、九州大学と東京大学が共同で繁殖地を調査するプロジェクトに参加した。日韓両国の野鳥研究者たちが、幼鳥に電波送信機を装着した。江華島南側に浮かぶ島(繁殖地)で生まれた幼鳥が、越冬地に向かう移動経路を追跡するのは、日本では今回の調査が初めて。韓国では、クロツラヘラサギは、国の天然記念物に指定され、厳重な保護を受けている。幼鳥4羽の背中に、最新鋭の超軽量小型送信機を装着。人工衛星を使って、送信機を装着した野鳥から発信される電波を確認しながら、移動経路を追跡する。
 クロツラヘラサギは、北からロシア、中国、北朝鮮、韓国、日本、台湾、香港、マカオ、フィリピン、ベトナムで確認されている。こうしたアジア各国を渡るため、「アジアンバード」とも呼ばれている。今回の研修では、クロツラヘラサギは、各地の保全活動を通じて、アジアの人たちをつなげていることも強く感じることができた。

(09年3月13日~23日、7月27日~8月1日)

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