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 2007年、西日本新聞は創刊130周年。「地域づくりの先頭に立つ」という旗印の下、地域の皆さんと手をつなぎ、地域の声を代弁して、ここまでやってきました。私たちの志は「地域の皆さんと共に」です。地域の皆さんに会いたい。会って、いろんな話を聞き、それを伝えていきたい。そう願っています。

 そんな西日本新聞社の気持ちを歌に込めた作品。それが、さだまさしさん作詞作曲の「愛~あなたに会いたい~」です。そして、さださんのメッセージを受け継ぎ、新しい世代の感性で表現した、新しい「愛~あなたに会いたい~」も生まれました。

さだまさしさんに聞く新聞への期待

 (2005年4月22日付朝刊)
「伝える側の人格大事」
「人間臭さが支える報道を」
本紙創刊130周年の歌を作詞・作曲

 西日本新聞は今月、創刊百二十八年を迎えた。若い世代を中心に活字離れ、新聞離れが進む中、本紙は二年後の百三十周年に向け、より愛され、より親しまれる新聞づくりを進めている。その思いを込め、創刊百三十周年キャンペーンソング「愛~あなたに会いたい~」をつくり、テレビCMやイベント会場で活用している。百二十八年に当たり、キャンペーンソングを作詞、 作曲し、自ら「新聞マニア」と語るさだまさしさん(53)に、新聞への期待や世相観、 さださん自身の活字への思いを聞いた。
(聞き手・傍示文昭)
「愛」は僕の全国コンサートツアーでもメーンテーマになっているが、イメージ効果というのはすぐには効いてこないもの。ただ、「新聞マニア」の一人として、百三十周年という節目に、新聞になにがしかの付加価値を付けることができたとしたら、僕もうれしい。

ところで、ニッポン放送の買収劇で話題をさらったライブドアの堀江貴文社長が「ジャーナリズムは不要」「新聞、テレビはいずれ死んでいく」と語り、情報の価値判断や加工は「意味がない」と指摘した。新聞はもう不必要なのか。

真っ向から反論したい。ジャーナリズムは不要というのは、心の部分で生きていない人の発言だと思う。 福岡沖地震を例にとっても、いつ起きて、震源地はどこで、 被害はこうだ、というだけの無機質な情報なんか報道じゃない。そこで生活していた人間がどうなったのか、どう生きていこうとしているのかを伝えるのは人間にしかできず、伝える側の「人格」こそが重要だ。さらには、なぜ地震が起きたのか、今後どうなるのか、事実を分析したり、次を予測したりして、現実の陰に潜む危険や真実を伝えるには経験則や専門知識の蓄積が不可欠だ。

そういう意味での調査報道こそジャーナリズムの神髄であり、使命感という「人間臭さ」がそれを支えていると思う。ニュースはネットで十分、無機質な情報だけでいいという考え方は、人格や人間臭さなんかいらないという人の発想だ。

ただ、堀江社長が特別なのではなく、ネット世代の代表みたいな存在との見方もある。

だから、何のぬくもりもない、殺伐としたCMやドラマでの会話が増えた。新聞は読まない、本も読まない。テレビやネットで流されるニュースを浴びるだけ。知識はあるけど、応用できない。そういう若者が働き手の中心になりつつある。だけど、そういう世代を育てたのは僕ら以上の世代なんだよね。そこで近々、自己批判も込めて、礼儀知らずのおじさん、おばさん撲滅運動を始めようと思っている。

例えば、こんなことが何度もあった。通りを歩いていたら、おばさんが大声で「あっ、さだまさし」と僕を指さす。すると、隣の中学生くらいの娘さんが「お母さん、失礼よ」とたしなめる。日本人の心が壊れ始めたのは、紛れもなく僕ら以上の世代の責任だ。

でも、子どもたちは決して死んでいない。新聞には、そんな子どもたちの話題をたくさん拾ってほしい。「落ち穂拾い」みたいな報道は、決してテレビやネットにはできない仕事。僕は、そんな話題をこれからも新聞で拾いたい。

三作目の小説「眉山(びざん)」も出版され、活字にこだわるさださんの「小説家」の肩書もすっかり定着したようだが。

九月に新しいアルバムと四作目の小説をほぼ同時に出す予定。 アルバムは五月からレコーディングに入り、小説は東京の下町を舞台にした連作短編として書き進めている。お楽しみに。

一緒に? 期待したいが大丈夫か。

大丈夫。小説と曲作りは全くの別もの。曲を作っていて、くたびれたら息抜きに小説を書いている。 小説を書いていて、曲のフレーズや歌詞が生まれることもある。相乗効果で、きっと両方ともいいものになると思っている。

昨年9月に発売されたさだまさしさんのオリジナルアルバム「恋文」(フォアレコード)に、「愛」のタイトルで収録されている。本紙が昨年1月から随時連載した「あなたに会いたい」をテーマに、さださんに作詞、作曲を依頼。さださんは実際に連載記事を読み、「あなたに会いたい/泣きたいほど会いたい」と曲のイメージを膨らませたという。

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